エアコンの仕組みと故障しにくい選び方は?
2023.06.01 Thu
近年気温の上昇により、夏に猛暑日が続くことは当たり前になって来ました。
昔は贅沢品だったエアコンも今では生活必需品となり、特に子供や高齢者は熱中症にかかりやすいので、社会的にエアコンを使うよう呼びかけています。
数年前までは消費電力が高かったエアコンですが、近年では飛躍的に省エネ化が進み、以前に比べてエアコンを運転すると家のブレーカーが落ちるということもなくなりました。
最近のエアコンには「冷房運転」「暖房運転」「ドライ運転」だけでなく、ハイグレードな機種では「空気清浄機能」や「イオン発生」の機能まで付いています。
この生活必需品であるエアコン、一体どのようにして何種類もの風を送ることができるのでしょうか?
エアコンの冷える(暖まる)仕組み
エアコンは空気循環機です。
このエアコン内に循環している空気を冷やしたり暖めたりして、部屋内の温度を変化させています。
極端な言い方ですが、扇風機の後ろ側に冷蔵庫やヒーターを置いて、その風を扇風機で部屋内に送っているイメージ。
例えば冷房の場合、冷蔵庫の扉を開けて冷たい空気を扇風機の後ろ側に出し、その冷やされた空気を扇風機の風として送風しています。
暖房の場合は冷蔵庫ではなくヒーターを置いて、暖められた空気を扇風機の風として送風するということですね。
ではエアコン室内機の中に、どのようにして冷蔵庫やヒーターの代わりになるものが組み込まれているのでしょう?
一般的にエアコンは室内機と室外機のセットですが、この室内機と室外機は2本の銅配管で繋がっており、この室内機・室外機・銅配管の中を「冷媒」という物質が循環しています。
この冷媒が「気体」「液体」に変化することで発生する気化熱を利用して、室内機・室外機の中にあるアルミフィンが冷やされたり暖められたりします。これを「熱交換」と言います。
そして室内機・室外機のファン(扇風機の代わり)が回り、冷房運転だと室内機のアルミフィンは冷やされ冷風となり、室外機のアルミフィンは暖められ暖房が屋外に排出される。
つまりエアコン冷房運転では室内機が冷房で室外機が暖房、エアコン暖房運転では室内機が暖房で室外機が冷房となります。
夏のヒートアイランド現象が都市部に多く発生していますが、それだけ都市部でエアコン(冷房運転)が使われているということも大きな要因の1つでしょう。
都心部は人口も多く、住居だけでなく会社や施設など様々な空調設備が整えられています。ただでさえ猛暑が続く夏に、室外機から暖められた風が放出されるわけです。
地球温暖化という自然現象もありますが、私たち人間は機械的(意図的)に屋外の温度を上げているとも言えるのではないでしょうか?非常に難しい問題です。
冷房運転とは?
エアコンと言えば、まずは冷房でしょう。
年配の方々ですとエアコンと言うより、クーラーと言った方が身近に感じるかも知れませんね?
エアコンの室内機と室外機は2本の銅配管で繋がっており、その2本の銅配管には細い管(高圧)と太い管(低圧)の2種類があります。
そして銅配管によって繋がったループ状の経路を冷媒が循環することにより、冷媒の気化熱を利用して室内機及び室外機のアルミフィンで熱交換が行われます。
この冷媒ですが、昔はフロンガスが使われていました。
ただしフロンガスは大気汚染に繋がるので、今では代替フロンという環境汚染しにくい冷媒となっています。
この冷媒が常温では気体で安定する性質を利用し、室外機内のコンプレッサーで気体の冷媒を圧縮。圧縮された冷媒はコンプレッサー内で気体から液体に変化します。
そして液体になった冷媒が細い管(高圧)を通じて室内機に勢いよく運ばれ、室内機のアルミフィンで圧力から開放され瞬時に気体に戻ります。
この気化熱によってアルミフィンは急激に冷やされ、アルミフィンを通過した気体の冷媒は太い管(低圧)を通じて室外機に戻って来ます。
そしてまたコンプレッサーで圧縮され液体になり室内機へと運ばれる・・・これを繰り返すことによって、室内機のアルミフィンは冷やし続けられ、その風を送ることによって冷房運転となるのです。
≪冷媒のルート≫
室外機(冷媒を液体に圧縮) ⇒ 細い管(高圧) ⇒ 室内機(冷媒が気化する) ⇒ 太い管(低圧) ⇒ 室外機(最初に戻る)
暖房運転とは?
エアコンの暖房運転は、基本的に冷房運転の逆向きに循環となります。
室内機のアルミフィンが暖められ、室外機からは冷たい風が放出されているんです。
ただし暖かい風は上昇してしまう性質があるので、室内機から出てくる暖かい風は吹き出し口から送風されて、直ぐに天井に向かって上昇してしまいます。
暖房運転を行ったとしても「足元が暖まらない」という状態を生じてしまうのでは、この「暖かい熱は上に行く」という性質が原因です。
近年では床暖房などの普及が進んでいることもあり、冬にエアコンの暖房機能を使うご家庭は比較的少ないのではないでしょうか?
ハイグレードなエアコンですと足元から暖める機能が付いていたりしますが、石油ファンヒーターやハロゲンヒーターに比べると熱効率はイマイチです。
ドライ運転とは?
ドライ運転の説明は非常に難しいのですが、簡単に言うと「弱冷房運転」と考えて良いかと思います。
冷房運転の目的は室内の温度を下げることであり、ドライ運転の目的は室内の湿度を下げること。
空気に含まれる湿度を奪うことによって、結果的に湿度を下げようという狙いです。
空気は温度が高いと多く水分を溜め込むことが可能となり、温度が低いと水分を溜めづらくなるので水滴として排出します。
これは夏に冷えた飲み物を飲もうとすると、グラスに水滴が付くのと同じ原理です。
つまり室内機のアルミフィンを冷やすことによって、吸い込んだ空気の温度を下げて水滴を排出させる。
それを繰り返すことによって、部屋全体の湿度が下がりますが、部屋の室温も下がります。
このような原理から弱冷房運転と類似した感じになり、明確な違いは風量がドライ運転だと弱いというぐらいでしょう。
ただドライ運転でも「弱冷房除湿」「再熱除湿」という2つのタイプがあり、上記で説明したのは「弱冷房除湿」に該当します。
再熱除湿タイプですが、こちらは冷えた空気をもう一度適温まで暖めてから送風されるので、部屋の温度は一定を保てます。
ただし当然電力消費は激しいので、省エネ志向のご家庭には不向きかも知れません。またハイグレードな機種にしか搭載されていない仕様でしょう。
故障しにくいエアコンを選ぶポイント
エアコンは多種多様にありますが、オススメなのは「特に何の機能も付いていないシンプルなエアコン」です。
カタログには「ベーシック」「標準モデル」と書かれていますが、簡単に言うと「一番安いエアコン」ですね。
機能はエアコン冷房・暖房・ドライのみ。もはやドライ運転は無くても良いぐらいです。
高価なエアコンを購入しても、その機能を使わなければ意味がありません。
エアコン室内機にはカビが発生し、目には見えませんが部屋の空気はカビだらけということも珍しくはありません。
エアコンの寿命目安は7年と言われています。
電化製品の修理部品は製造5年経過でメーカーに在庫されなくなり、5年過ぎたエアコンは修理すらできないことも多いのです。
実はエアコンは10年も故障なく使えれば充分寿命を全うした物であり、その頃にはさらに省エネ化したエアコンが販売されているはずです。
このような理由から、買い替えすることを前提に、一番安いエアコンを買うのが費用対効果が高いと言えます。
エアコン選びで、エアコンを結果的に長持ちさせるポイントがあるんです。
そのポイントとは、エアコンを選ぶ時に「部屋の広さに適したエアコンの1つ上の能力」を購入すること。
例えば6畳~8畳の部屋には通常2.2kwのエアコンを購入しがちですが、その部屋の日当たり使用頻度によっては2.5kw(8畳~10畳用)を検討します。
真夏ですとかなり暑いので、エアコンもフルパワーで運転することが多くなります。
機械も人間も同じですが、ずっと全力で長時間は働けません。
常にフルパワーでダッシュし続けている。これはつまり故障になりやすいということです。
しかしながら能力的に1つ上の機種を選ぶことによって、そのエアコンは常に余力を残した状態で運転を続けられます。
多機能なエアコンを購入するぐらいなら、能力的に余裕あるエアコンを購入すること。
その方が予算的にもグッと抑えられますし、費用対効果は高いかと思います。オススメですよ!
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