プロが教える!洗剤の効果的な使い方
2023.08.03 Thu
最近の洗剤は目覚ましい進化を遂げています。
一般的な汚れであれば、市販の中性洗剤で簡単に汚れを落とすことができますよね?
また汚れを落とす洗剤だけでなく、汚れの付着を防ぐ洗剤も販売され、様々な薬品があり過ぎて迷ってしまうぐらいです。
ここではプロの経験から、洗剤の選び方と効果的な使い方をご説明します。
クリーニングの基本は汚れの原因を知ることから
ハウスクリーニングは、汚れの原因を正しく知ることから始まります。
汚れの種類は大きく分けてこの3つ、「油脂」「タンパク質」「スケール」に分類されます。
【油脂による汚れ】
いわゆる油汚れ。キッチン周りや換気扇などのベトベトした油。
【タンパク質による汚れ】
毛髪や角質など。浴室に多い汚れ。排水口の詰まりの原因にもなる。
【スケールによる汚れ】
いわゆる水アカ。ポット内の湯垢や水道のくすみ、トイレの尿素などもスケール汚れとなる。
汚れの原因にマッチした「液性」の洗剤を使う
洗剤を購入するとき、ラベルの成分表を見てみましょう。
そこに「液性」という項目があり、「酸性」「アルカリ性」「中性」などが明記されていると思います。
「汚れを落とす成分は、この液性が全てである!」と言い切っても良いぐらい、この液性は洗剤としての重要な要素なんです。
【酸性の洗剤】
主にスケール(水アカなど)を溶かします。
時間はかかりますが、漬け込むことによりスケールが柔らかくなるのです。
柔らかくなったスケールを硬めのスポンジやスチールウールで擦り、汚れを削り落として行きます。
もし酸性の洗剤で漬け込まない場合は、このスケールが硬すぎて力一杯擦ってもなかなか綺麗になりません。
ここは焦らずに、1時間~2時間程度は酸性の洗剤で漬け込みましょう。
市販薬では、サンポールが一番有名な洗剤でしょう。
サンポールは塩酸を薄めた洗剤なので、市販薬としてはかなり強い酸性と言えます。(本来は便器の洗剤である。)
サンポールを使いたくない場合は、クエン酸が一番手頃かも知れませんが、酸性が弱い分だけスケールに対する効果は低くなります。
【アルカリ性の洗剤】
主に油脂とタンパク質を溶かします。
スケールが酸性に溶けるのと違い、油脂とタンパク質はアルカリ性に対しすぐに反応してくれます。
アルカリ性の強さにもよりますが、洗剤を吹きかけた瞬間にドロドロと汚れが溶け出すことが多いでしょう。
その溶け出した汚れを、ウエスやキッチンペーパーでサッと拭きとるだけ。
酸性とは液性が対極になりますが、汚れの溶けるスピードも相反するので分かりやすいかも知れませんね。
市販薬では、マジックリンやパイプマンが有名です。
また塩素を含んでいますが、キッチンハイターなんかもアルカリ性の洗剤ですね。
キッチンハイターは汚れを溶かしつつ、同時に消毒効果と漂白効果も強いので非常に便利です。
素手でアルカリ性洗剤を触ると、皮膚が溶けて指紋が消えて行きます。
髪の毛はタンパク質ですので、パイプマンが排水口の毛詰まりを溶かすのは、アルカリ性の成分が効いているということです。
【中性の洗剤】
残念ながら、特に何も溶かしません。
洗剤といえば基本的に「界面活性剤」ですが、この界面活性剤は「浮き出た汚れを包み込む役割」を果たします。
中性洗剤の主成分はこの界面活性剤であり、「溶かす必要のない簡単な汚れを、界面活性剤で包み込み洗い流す」だけ洗剤です。
つまり一般的にはリスクが少なく、ご家庭では主力となる洗剤と言えるでしょう。
補足ですが、アルカリ性の洗剤にも界面活性剤が含まれていることが多いです。
まずアルカリ性の液性が汚れを溶かし、界面活性剤が溶け出した汚れを包み込むというイメージ。
油汚れにマジックリンをかけて放置すると、泡が茶色く変色して来るのは、まさにこの効果の表れなんです。
劇薬をどう使いこなせるかがプロの手腕
この液性が強い洗剤を使う方が、汚れを落とす(汚れを溶かす)効果が高いと言うことになります。
その分だけリスクは伴いますので、取り扱いには注意が必要です。
ハウスクリーニングのプロが汚れを落とすということは、劇薬(強酸・強アルカリ)をいかに正しく使いこなせるか?ということ。
もはや洗剤というよりも、薬品と呼ぶことの方が多い気がします。
私たちプロが使う「業務用洗剤」に、皆さんはどのようなイメージを持たれているでしょうか?
◎素早く綺麗にできるイメージ
⇒ 市販の洗剤に比べて、単純に液性が強いだけ。
◎何でも汚れを落とせる
⇒ 対応する液性を間違えると、全く汚れは落ちない。(汚れに反応しない)
市販の洗剤でも業務用洗剤でも、結局のところ主成分や使い方は同じなんです。
一番大切なのは、汚れの原因と液性を正しく知ること。
そしてリスクを理解し、それに備えることですね。
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